ジークアクスを見てガンダムを見返している。
懐かしい絵柄に懐かしいBGM、この肌触りこそガンダムよ。
ランバ・ラル編まで見直して印象的だったのは、アムロが「あの人に勝ちたい」と心の底からランバ・ラルに対して思っているシーンだ。
これまでアムロは、シャアと何度も戦っているのに、なぜシャアではなくランバ・ラルに勝ちたいと願ったのか。
その心境について深掘りしていきたいと思う。
理由その1 自尊心を取り戻すため
ランバ・ラルとの戦いにおいてアムロは、自尊心が傷ついている状態だ。
命を賭して守ってきたホワイトベースの艦長ブライトの口から、「アムロをガンダムから降そうと思う」と聞いてしまい、これまで積み上げてきた自信が一気に崩れてしまっている。
その後、ホワイトベースのみんなに「自分がいないとダメだろう」と思わせるため、マ・クベの鉱山を一人で攻める。が、自分が壊滅させたのが数ある鉱山基地のたった一つであることに気がつき、さらに自尊心を傷つけることになる。
脱走した後に追ってきてくれたのがフラウだけというのも、この状態のアムロにとっては神経を逆撫でするような気分にさせられていたのかもしれない。
そんな心境で出会うのがランバ・ラルだ。
彼は部下からはもちろん、そばにいる美しい女性(ハモン)からも慕われている。おまけに、アムロが敵であることに気がついたにもかかわらず何もせず逃すという、人間としての格の違いを見せつけられる。もしかしたら、ランバ・ラルに対して憧れの念もあったかもしれない。
さらに追い討ちをかけるように、ラルとのMS戦で勝ったものの「そのMSの性能のおかげで勝ったのだぞ」と核心を突く一言を言われてしまう。
ガンダムの性能を理解しているアムロは、「負け惜しみを!」といいつつ事実であることにもn気がついているはず。(実際のスペックもガンダムの方が上である)
ここまでくると、立ち直るにはそれなりのパワーが必要にも思えるくらい自信を失ってもおかしくないだろう。
傷ついた自尊心を取り戻すため、ランバ・ラルに勝ちたいと考えたのだろう。
理由その2 ランバ・ラルに直接会っているから
アムロがジオンの兵士と会うのが初めてというわけではないが、まともに会話を交わしたのはラルが初めてだ。
先述の通り自尊心が傷ついている状態で、部下に慕われている姿を見た時、人間として負けていると感じたのではないだろうか。
しかもすごい美女が彼を慕ってそばにいるではありませんか。
人間としても、男としても格の違いを見せつけられたといっても過言ではないだろう。
その上、連邦軍であることに気がついた上で見逃すという器の大きさも見せられている。
これらの経験から、アムロはランバ・ラルに対して憧れにも似た感情を抱いていたのではないだろうか。
憧れた男に勝って認められたい。そんな感情を持って、「あの人に勝ちたい」と声に出したのかもしれない。
理由その3 ホワイトベース内での立場を確立するため
3つ目の理由は、アムロのホワイトベース内の立場の問題だ。
アムロは民間人であり、たまたまガンダムに乗ってザクを倒したからホワイトベース隊に所属している。正式なパイロットでもないので、立場も曖昧だ。
その上、軍人でもない子どもなので、「上官の命令に従う」という意識も薄い。艦長を務めるブライトからしたら、扱いづらい人物だろう。
ラルとのMS戦の後、独房に入れられてしまったアムロは、ホワイトベース内での自分の立場を作らなければならないと強く感じたはずだ。色々な感情が渦巻く中で、ランバ・ラルに勝って自分の力を誇示することが、ホワイトベース内での立場を確立すると
(無意識かもしれないが)考えたんだと思う。
ランバ・ラルに勝って自分の力を示し、ホワイトベース内で認められる存在になりたいという気持ちも垣間見える。
まとめ
アムロがランバ・ラルに勝ちたいと思ったのは、傷ついた自尊心を取り戻すこと、自分より優れた男に認められたいという気持ち、ホワイトベース内での立場を確立することの3点が理由になっている。
結果として、アムロが勝ったとは言えない形で終わったものの、この時の感情は後のアムロを急激に成長させるきっかけになっているだろう。単なる戦闘力だけでなく、ラルのような男になりたいという意味では人間性も磨かれていく。
宇宙に戻ったアムロを白い悪魔に仕立て上げた一因は、ランバ・ラルにこそあるのかもしれない。