記録

初風⚪︎でイけなかった夜に元カノと電話をする話

「笑いすぎて死ぬwww」
電話越しで笑い転げているのは、一ヶ月前ほどに大喧嘩で別れた元カノだった。
なぜこんなに笑っているかといえば、俺の失敗談を聞いて面白いからだろう。

「Twitterでつぶやこwww」
やめてくれと思いつつも、彼女のフォロワーに俺の知り合いはいないのでまあいいかと思い直した。

元カノを爆笑させた話はタイトルの通りなわけだけど、もうちょっと詳しく語ろう。

大学2年の夏休み前、所属していたバドミントンサークルの男だけで飲み会をした。
男だけなので、くだらない下ネタや恋バナに大いに盛り上がった。

そろそろ席の時間が、と言われるころに、一人が風俗に行こうと言い出した。
正直冗談だろうと思っていたが、酒の入った男子大学生というのは行動力と性欲の塊であり、6人ほどで池袋へ移動を始める。

電車での移動中、言い出しっぺのカズナリは熱心にスマホで情報収集をしていた。
ここに行こうと思ってるんだと、見せてくれたスマホの画面はピンク色を基調とした配色で、いかにもな感じのHPだった。

最近彼女ができたコウスケは、強制連行されて迷惑そうにしていたな。

目的地に着くと、コウスケは彼女がいるからと外で待っていることを告げてコンビニへ向かった。俺もついていこうと思ったが、カズナリに腕を引っ張られてしまったので仕方なく店に入った。

店の中は暗く、平日のど真ん中だったからか人は多くなかった。
入り口で8,000円を徴収され、待つこと5分ほど。番号を呼ばれたので指定された場所へ。

さあお待ちかね、俺のもとに女性がきてあんなことやこんなことをしてくれるわけだけど、全く興奮しなかったし、時間いっぱい使っても果てることはなかった。虚しい。
つまるところ俺は、8,000円という大金を使って何も得ることはなかったのだ。

店の出口には、言い出しっぺのカズナリが満足そうな表情で待っていた。どうやら目的を達成したようだ。
その後は感想を喋りながら駅に向かって歩いて解散した。

最寄り駅について、こんな虚しい気分で一日を終わらせたくないと思い、なんとなく元カノにLINEを送ってみたら普通に帰ってきた。ブロックされてるかと思ったのに。

そのまま帰り道の電話に付き合ってもらい、ことの顛末を話して冒頭に至るというわけだ。

「そんなに笑うことないだろ?こっちは8,000円も失ったんだぞ。」
と、自虐っぽくさらに笑いを誘う。

「いや、お金の無駄すぎるでしょw」

あんなに大喧嘩をして別れたのに、それを覚えていないかのように喋ることに違和感を感じつつ、やはり話していて心地が良かったので話を続けた。
付き合うという関係ではなく、友達として仲良くするのが良いのかもしれない。

そう思いながら、安易に彼女の近況を聞いてしまった。

「最近?あ〜、好きな人ができてさ〜、この前その人とデートしてきたんだよね!」

それでさ〜、と続けて「その人」との恋愛相談兼のろけ話のような近況を一通り聞いた。
未練もないので、嫉妬みたいな感情はなく、楽しそうに話すのでこちらも楽しく聞くことができた。
そういえば、出会った頃から超絶マシンガントーカーだったな。

家に到着したので電話を切った。
それっきり、その元カノに連絡をすることは無くなった。

-記録