妄想

一人暮らしレベル7くらいのときに起こるミス

念願の一人暮らし。社会人2年目になり、実家からの通勤に嫌気がさした私は、阿佐ヶ谷にあるアパートを借りた。

「自由だーーーー」

初めての一人暮らしにワクワクしながら、なんにも揃っていない空っぽな部屋を写真に撮ってインスタのストーリーにアップした。
変な輩に絡まれても困るので、親しい友達だけに見れるように。

それから半年ほど経って、今はだいぶ生活リズムも作れてきて本当に快適な一人暮らしライフを送っている。
私の一人暮らしは、RPGのレベル上げみたいだった。

まずはレベル1。基本的な家事を覚える。
母親から「女の子は家事くらいできなきゃダメ!」と言われてある程度やらされていたので、基本的な家事については問題なかった。

なんでやらされなきゃいけないんだー!って不満しかなかったけど、今思えばやっておいて良かったと思う。

レベル2は自炊がいつでもできる準備を整えたとき。料理自体は自信があったけど、いざやろうとすると食材や調味料を揃えるのが大変だった。でも、揃えちゃえばこっちのもん!

レベル3になったのは光熱費の高さを知った時。
実家暮らしの頃は何も考えずにエアコンつかったり追い焚きしたりしてたけど、電気代もガス代もこんなに高いんだね…。
SNSで節約情報のチェックは欠かせない。

レベル4に到達したのは、買い物スキルが身についたとき。
最初はスーパーで目についたものを片っ端から買ってたけど、いつも余らせちゃってた。本当にもったいない。
ちゃんと献立を考える、余り物を使いこなすレシピを見つける、そんなことをやってるとだんだん余り物が減ってきた。

さぁ、生活面は整ってきたところでレベル5の試練。
それは「孤独との向き合い方」。

最初こそ自由を謳歌していたわけだけど、やっぱり一人はさみしいと思う時がある。
こりゃいかん。このままじゃ実家に帰って入り浸ってしまう。ということで、本を読んだりランニングを始めてみたり、友だちとの予定を増やしてみたりと、孤独と向き合う自分なりの方法を編み出した!

それからは家事を効率化するために工夫をしてみたり、部屋のレイアウトを自分好みに変えていったり、観葉植物を育ててみたりとどんどんレベルアップを楽しんでいた。

(仕事も家事も問題なし!今の私は一人暮らしレベル7、といったところだなっ。)
だいぶ一人暮らしも慣れてきたし、もう慌てる場面もなくなってきたなぁ。

…そう思った矢先こと。
仕事から帰ってさっさとお風呂に入るため服を脱ぎ、湯船に浸かる。
今週も頑張ったな〜、上がったらゆっくりご飯でも…と考えながらお風呂から上がると。

「あれ、バスタオルないじゃん。」

一枚もなかったのだ。バスタオルが。
これは由々しき事態。朝、バスタオルを干したまま取り込んでいなかった。予備もない。

さすがに素っ裸でベランダに出る勇気はないし、部屋の中をびしょ濡れ状態で歩きたくもない。頭をフル回転させて思いついた先は…

バスマットをスリッパ代わりに使ってフェイスタオルのある場所まで移動だった。

「ふぅ、間一髪…。」

こんなミスをしてしまうとは、まだまだ修行が足りない。
だけど、バスタオルを干したまま忘れててもどうにかできるスキルを身に着けた私は、今この瞬間レベル8に上がったのかもしれない。

この、ゲームみたいな一人暮らし、楽しいかも。

-妄想