プロポーズ、両親への挨拶、両家顔合わせ⋯。結婚にあたって必要な準備をこなす週末が続いていた。
そんなときに限って、仕事は炎上対応やらイベント準備やらでめちゃくちゃに忙しい。
思い返せば仕事が忙しいなか土日もきっちり休めずだったけど、結婚を喜んでもらえる両親や彼女の笑顔がうれしくて、あまり疲労感を感じていなかった。
誰かのために動くのはとても楽しい。
それが身近な人であればあるほど、その人が喜んでいる姿に、元気と幸せをもらえる。
どこかで聞いた、「1万円をもっとも幸せに使うにはどうしたらいいか?」という問題。
答えはその一万円を「誰かのために使うこと」らしい。
自分のために使ったときに感じる幸せは、1週間ほどしか続かないのに対して、誰かのために使ったときに感じる幸せは、少なくとも3週間は続くとのこと。
確かに、美味しいものは誰かの誕生日を祝うときに食べるほうがより美味しく感じるし、プレゼントも貰うよりあげるほうが楽しい。
自分へのご褒美より、誰かへのお礼のほうがずっと記憶に残ってる。
幸福度が高いと、疲れ知らずで頑張ってしまうようで、久しぶりになんにも予定のない週末の金曜日の夜、電気も消さず風呂にも入らず歯磨きもせず、泥のように眠って起きたら朝でした、を経験した。
あー、やっちまったなーと思いながら歯磨きしてると、同じように寝てしまった彼女が風呂に入ろうとしていた。
これからの幸せに向けて、さらに一歩進んだ気がした。