社会人5年目6年目にもなると、中堅社員として見られるので急に求められるレベルが上がって悩む人も多いと思う。
資料を作って上司に説明すると、
「何が言いたいの?」
「君の意見は?」
なんて厳しい指摘を受けることも。
自分もそのうちの一人なわけだけど、いろいろ試行錯誤してわかったコツや考え方があるので、同じように悩む人たちのために記録していく。
Contents
その資料は誰向けですか?
その資料は誰に向けたものなのか、これを意識するだけでもかなり伝わりやすい資料に変わる。
その相手はこの単語を知っているのか、前提の共有は済んていて抜け落ちていないか⋯などを考えてみるとよい。
あまり難しく考えずに、自分が何も知らない小学5年生だと思って資料を読んでみると、これって伝わらないかも?が見つかりやすいのでおすすめ。
さらに踏み込んでコツを書くと、相手の属性によって資料の構成を考えるのも大事だ。
上司に向けた資料なら結論ファーストで端的に
基本的に上司が知りたいのは「結論」である。
報告なのか、連絡なのか、相談なのか、どうしたいのか、なにを最も伝えたいのか。
これらが最初にほしいのが上司だ。
結論が知りたい上司に、理由から説明をはじめても「結局何がいいたいの?」と言われてしまうだろう。
上司に向けた資料は結論→理由→根拠の順番にするとロジカルに伝わりやすい。
理由や根拠が冗長になりすぎないよう、端的に話すこともポイント。
説明が冗長になると、「結局なんだっけ?」となってしまう。
部下やメンバーに向けた資料なら詳細を丁寧に
部下やメンバーに向けた資料は必ずしも結論ファーストが正しいとは限らない。
部下やメンバーが知りたいのは、なんのためにこの説明を聞いているのか、である
そのためには、結論よりも結論にいたるまでの経緯や目的などを丁寧に説明するほうがよい。
上司への説明のように、結論ファーストで端的すぎると、肝心な目的が伝わらずに意識のズレが生じることもあるので注意しよう。
お客さんが知りたいのは未来のはなし
相手がお客さんなら、未来どうなるのかを意識して資料を作ろう。
お客さんは、あなたの提案で現状がどう変わって、未来ではどんな状態になるのかを知りたいのだ。
例えば営業なら、自社の商品を使うことで、どんな効果があるのか、未来はどう変わっていくのかを説明するのがよい。
結論ファースな説明では、「契約してください→なぜならば・・・」という生々しい構成になってしまう。
ストーリーを意識して、自分の提案で何がどうかわるのか、それはどんなベネフィットがあるのかを説明するように意識しよう。
その1ページで伝えたいことはなんですか?
誰向けなのかを意識できたら、次は1ページで伝えたいことを意識してみる。
基本的には、「1スライド1メッセージ」で作っていく。
そのためには、まず伝えたいことを整理することから始めよう。
パワポを開く前に伝えたいことを整理する
個人的には、いきなりパワポを開くよりもメモ帳やマインドマップアプリ、紙とペンなどをつかって、この資料で何を伝えたいかを整理するほうがよいと考えている。
資料のテーマ、何を伝えたいのか、伝えたうえでどうしてほしいのかを整理してみると、頭のなかも整理されて上手に資料が作りやすくなる。
だんだん粒度をこまかくして書いていくと、それだけで資料の素案が出来上がる。
だいたい整理できたら、実際にパワポを開いてメッセージラインを書いていく。
このとき、1スライドに1メッセージになるように書いてく。
これで下準備は完成となる
伝えたいことを伝えるためのコツ
伝えたいことが整理できたら、実際に伝わる資料作りに着手する。
伝えたいことを伝えるには、いくつかのコツがあり、ここでは一部を紹介。
伝わる資料のコツ
- 色を変える
- 大きさを変える
- 図にする
色を変える
重要な単語を色付けすることで、読み手がどこが重要で伝えたいのかがわかりやすくなる。
色をつけるときの注意点は、たくさん使わないこと。
資料の中で多くても3色までがよいと言われている。
また、色をつける単語の数も絞る必要がある。
いたるところに色付きのの単語があると、逆にどこを読めばいいかわからなくなるのだ。
本当に重要だと思うところに色をつけよう。
大きさを変える
色を変えるのと同じような効果がある。
とくに、数字を大きくみせたいときに有効。
数字を大きくするだけでなく、単位を小さくするとさらに数字の部分が強調される。
フォントサイズがバラバラにならないようにルールを作成しておくと、統一感のある資料になるので注意しよう。
図にする
文字が多くなると伝えたいことがブレるので、できるだけ図におこすのがよい。
いくつかのパターンをもっておくと、わかりやすい図を作成できる。
何を表現したいか明確にしておけば、ググるだけでいろんな図式がでてくるので参考にしよう。
代表的な図は以下の通り。
基本的な図の作り方
- ロジック図・・・理由や根拠をロジカルに説明するのに使える
- フロー図・・・手順やおおまかな流れを説明するのに使える
- スケジュール表・・・スケジュールを説明するのに使える
気が散る資料になっていませんか?
伝えたいことは明確で、ロジックも立てているのに説明する前に細かいことで止められてしまう経験はないだろうか?
たとえば、
見づらい資料の特徴
- フォントがバラバラ
- 原色、蛍光色で見づらい
- 位置が揃っていない
など。
細部に気を使わないと、せっかく良い説明を用意しても、聞かれる前に指摘がはいって止まってしまう。
そんなことにならないように、フォントを揃える、色はチカチカしないものを選ぶ、頭の位置は最低限揃えるなど、細部に気を使おう。
気が散る資料は、伝えるための土俵にのるまえから弾かれてしまう。
悩んで作った資料で成長しよう
急にハイレベルな要求をされたり、むずかしいことで指摘をうけたり、中堅社員になると怒られることも増えてくる。
ときには理不尽に振り回されて、酒を飲みながら愚痴をいいたくなるときもあるかもしれない。
しかし、その分成長のチャンスが隠れていると考えて業務をこなせる人は、どんどん上にあがっていくだろう。
資料を作るときに注意したいのは、上司のための資料にしないこと。
上司からの指摘を回避することを意識して作るのではなく、自分の考えを相違なく伝えることが大事。
そのうえで指摘やアドバイスがあれば、自分の考えをアップデートしていけばいい。
自分が正しいと思えば反論したっていい。
自分の意見を表現すること、資料作りという仕事である。